Brenmiller Energy社は2012年に設立されたイスラエルの企業で砕石を蓄熱材に使っています。bCubesと言う0.5 x 0.5 x 12mのモジュールに砕石を詰め、650度までの熱を貯め、パイプの中に水を通して530度までの蒸気を供給している様です。bCubesをいくつか組み合わせてコンテナに入れ、製品として供給している様です。
同社資料によると2012-20はR&Dの期間、2020-23はパイロット期間、2023以降は商用化の期間と捉えている様で商用化まで10年以上費やしています。
COMPANY OVERVIEW 2024.9
https://bren-energy.com/wp-content/uploads/2024/09/BNRG-PD-Sep24.pdf
2023年に4GWhまで供給可能な工場をイスラエルに設置しています。これまでのプロジェクトの合計が103MWhの同社としては今後の市場の拡大を見越して手を打ったと言うことかと思います。
https://bren-energy.com/wp-content/uploads/2023/03/Brenmiller-Energys-Automated-Thermal-Energy-Storage-Production.pdf
同社のビジネスモデルは機器販売、熱供給(Heat as a Service)、グリッド向けサービスの3つです。熱供給、グリッドサービスを提供する象徴的なプロジェクトとしては2024.8に発表したハンガリーのプレミアムペットフード会社Partner in Pet Food Hungaria KFTに30MWhの蓄熱機器から12年間、固定価格で蒸気を提供するものです。TSOであるMAVIRのキャパシティマーケットやバランシングサービスに参加することも計画している様です。
熱供給でペット会社から収入を得るだけでなく、TSOにグリッドサービスを提供して収入を得ることで、より多くの収入源を持とうとするモデルです。TSOが蓄熱装置がそう言ったサービスに参加することを認める必要があり、日本でも蓄熱装置が将来その様なサービスに参加出来る日が来るかもしれません。
Brenmiller to Deliver Low-Carbon Steam to One of Europe’s Largest Premium Pet Food Manufacturers
https://www.businesswire.com/news/home/20240819806127/en/
同社はNasdaqに上場しています。上場直後は30ドル前後でしたがその後、1ドルを切った時期を経て昨年末から株価が上昇して3ドルまで行ったところ下がり始め、2/7現在1.11$です。長いR&D、パイロット期を経て商用ステージに入った同社の動きに今後も注目したいと思います。