LDESが長期脱炭素電源オークションに追加

第3回長期脱炭素電源オークションからLDES(長期エネルギー貯蔵システム)が追加されます。

長期脱炭素電源オークションへの追加

5/28の制度検討作業部会では「揚水の新設案件とリチウムイオン蓄電池以外の蓄電池とLDESの案件」と言うカテゴリーを作り、運転継続時間を6時間以上、募集上限を40万kWとすることが議論されました。

制度検討作業部会 2025.5.28 https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/jisedai_kiban/system_review/pdf/103_03_03.pdf

そもそもLDESに何が含まれるかについては特に言及されていませんが、LDESの募集が議論された2/26の制度検討作業部会の資料には2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめが引用されていてそこには以下が示されています。

機械式 : 重力蓄電、CAES、LAES、CO2バッテリー
蓄熱式 : 岩石蓄熱、PTES
化学式 : PtGtP(水素)

制度検討作業部会 2025.2.26
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/seido_kento/pdf/100_04_00.pdf

LDESの運転開始期限は蓄電池と同じ4年です。第3回が第2回と同じ時期に募集、結果発表されるとすると2025.10 登録開始、2026.1 応札、2026.4 結果発表、2026.7 容量確保契約と言った流れになります。LDESの運転開始期限は2030年になります。この時間軸でどれだけのLDESが今回応札するのか、興味深いところです。

LAES(液化空気エネルギー貯蔵)

LAESについては工営エナジーがLAESで2027年度の容量市場に応札するためのアグリゲーター契約を住友重機械と締結したと出ています。

工営エナジー、「液化空気エネルギー貯蔵」で容量市場に応札 2023.10.17 https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/news/00001/03708/?ST=msb

LAESは広島ガスに設置され、2025.5稼働予定の様です。2025.5にLAESが稼働したとすると2025.10の登録開始 or 2026.1の応札まで稼働状況を見ながら準備を行う形でしょうか。スムーズに稼働すればいいですが、もし仕様を変更する必要が出て来たら間に合わない可能性もあります。

岩石蓄熱

東芝の岩石蓄熱は新東海製紙での技術実証は2025年度末までに機器の製作を行い、2026年度に当該機器を用いた技術の実証試験を行うスケジュールの様です。2025.10の登録開始 or 2026.1の応札までには技術実証が終了していないため第3回のオークションには入札が難しいかもしれません。

岩石蓄熱およびエネルギーマネジメント技術を用いたプラントの技術実証を推進するための連携に基本合意 2024.11.13
https://www.global.toshiba/jp/news/energy/2024/11/news-20241113-01.html

長期脱炭素電源オークションは20年間の支援スキームなので少なくともこの期間はしっかり稼働する必要があります。リチウムイオン電池の場合も20年間での劣化度合いを考えながら応札容量を決める必要があります。LDESの多くが技術実証レベルのためそう言った劣化の情報が蓄積されていない中で、20年間の稼働要件をうまく満たせるかはよく見て行く必要がありそうです。

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